犬の販売店選び・購入方法

犬の販売店や入手方法はたくさんあり、悩ましいところです。ここでは、犬の元販売業者の方から聞いた情報をまとめて公開します。

犬を買う

犬を飼う前にまず買う(またはもらう)方法を考えます。

  • ペットショップで買う
  • ブリーダーで買う
  • 保護犬をもらう(譲渡会)

主に3通りの方法があります。各々のメリット・デメリットを紹介していきます。

ペットショップで買う

ペットショップで買う場合、基本は価格=犬の品質と言えます。ペットショップは犬のオークションで仕入れています。ペットショップは仕入れ値が安いほど安く販売できますし、仕入れ値が高いほど売値は高額になります。オークションでは多数のペットショップバイヤーや繁殖親を仕入れたいブリーダーが集まっています。プロの目利きで値段が決まっているのです。オークションでは犬が会場に持ち込まれる時に検査があります。検査で病気や怪我・異常があれば出品ができないこともあります。軽い傷や奇形は”欠点”として表記されて出品されます。素人目では分からない程度にほんの少し歯の嚙み合わせが悪いだけでアンダーやオーバーといった表記で出品されることになります。こうして厳しい検査を受けて出品された犬をプロのバイヤーが実物を見ながら入札し価格が決まっているのです。価格=犬の品質となるのは必然です。

さて、ここでペットショップの経営者の気持ちになって考えてみましょう。お店の方針は端的に言えば2通りのパターンしかありません。安く仕入れて安くたくさん売って回転させることで利益を得る量販店タイプ。本当に良いものを仕入れて高くても高品質なものだけを扱う高級店タイプ。それぞれ見ていきましょう。

量販店タイプ

量販店タイプはホームセンターのペットショップがほとんどこのタイプです。素人目では分からない欠点が多くて価格が安い、けれども見た目だけはかわいい犬を仕入れます。なるべく価格を下げて衝動買いを狙います。ホームセンターの場合は犬を見に来たわけではない客も多く衝動買い狙うには最適です。このタイプの経営では在庫の回転が命です。仕入れたらなるべくすぐに販売し、売れ残ったらどんどん値引いて早く売ります。ここで注意したいのが仕入れたらすぐに売るということです。通常、子犬はワクチン接種をするまで危険な伝染病のリスクにさらされています。すでに感染している可能性もあります。通常、オークションで仕入れたら2週間~1か月かけて健康状態を整えワクチン接種をし伝染病の可能性をゼロにしてから店頭デビューします。この手順をなるだけ省略することが量販店タイプの課題です。新しく入ったばかりの犬はすこし不安の残ります。ただし、売れ残った犬は必然的に状態が安定しているので安心感があります。買い手から見ると、量販店タイプでは売れ残りセールが最も費用対効果が高いということです。

量販店タイプでも激安店がよくやるテクニックとして、オークションで仕入れるだけではなく、オークションへの出品を拒否された犬をブリーダーから直接、タダ同然で買い叩くという方法もあります。とんでもない欠点やひどい病気の犬ということになりますが、ペットショップで病気を治すことができれば激安の目玉商品となります。

高級店タイプ

高級店タイプの場合は、オークションで欠点がない又は少ない犬で、人気の毛色でよりよい犬を仕入れます。ドッグショーに出しても勝てそうな犬を売っているお店もあります。当然仕入れ価格が高いため販売価格は高額です。その上、回転率も下がるため、犬一頭あたりの店の賃料・維持費など固定の経費を考慮した原価が高くなります。量販店タイプの2倍、3倍の販売価格は当たり前のことです。衝動買いの客はすべて量販店タイプに流れているので、じっくり犬を選んで買いたい慎重な客ばかりです。そういった本当に良い犬を欲している客に良さを理解してもらい、お店の信頼を集めブランド力を高めている必要があります。健康状態の点でも妥協は許されません。飼育や健康管理の技術も必要です。強いペットショップだと質の高いブリーダーからオークションに出す前に買う契約をしている場合もあります。

しかし、そもそも群馬県にはほとんど高級店タイプといえるペットショップはありません。群馬県ではペットに対する支出が少なく、高額な犬を買いたい需要がほとんどありません。オークションで高値が付いた良い犬はほとんど首都圏の高級店タイプのペットショップに行きます。

また、大型ショッピングモールに入っているペットショップは販売価格は高額ですが、どちらかと言うと量販店タイプに近いです。大型ショッピングモールの賃料が桁違いに高いのが原因です。

ペットショップで犬を買うメリット・デメリット

メリット:量販店タイプでは大きくなった売れ残りセールがお買い得。高級店タイプではお金を出せば間違いなく良い犬に出会える。ショップのアフターフォローがある。

デメリット:量販店タイプは値段相応の欠点・病気・先天性の異常を覚悟する。高級店タイプではお金に糸目をつけないことが大事。

ブリーダーで買う

犬のブリーダーは通常、オークションに出品して生計を立てるものです。しかし、例外的にブリーダーが直接販売している場合があるのでそれを利用して買う方法です。

まず、原則的にブリーダーは小売をするよりオークションに出品した方が良い理由を説明しなければなりません。ご存知の通り犬は一度に複数の子を産みます。例えば1頭のメスから8頭の子犬が産まれたとします。小売で売ろうと思った時、客は必ず実物を見て買います。選んで買いたいというのは客の心理であり、現物確認での販売は法律でも定められています。子犬の売り時・買い時は生後2~3か月です。日本人は特に小さいのが好きなので犬は小さいほどよく売れます。1か月も売れ残ったら値段を下げる必要が出てきます。つまり、1か月の間に8頭を販売しなければなりません。しかも大きくなるほど飼育場所が必要となります。見学した人が購入する割合を4割だとすれば20組の見学を受け付ける必要があります。抵抗力の弱い子犬や、他の出産育児中の犬がいる場所に20組(40人程度)が出入りすることになり、消毒を徹底しても雑菌やウィルス伝染病を持ち込む可能性が高くなってきます。また、3日に2回も見学客の接客をする必要があります。メスが1頭出産しただけでこれです。何頭も出産時期が重なったらどうなるでしょうか。普通のブリーダーなら接客よりも犬の飼育管理に時間を割くのはおわかりいただけると思います。接客の方が好きならブリーダーを廃業してペットショップに勤めた方が良いでしょう。ちなみに、ブリーダーで生計を立てるというのは、ブリーダー自身の収入のことではありません。子犬から繁殖親の犬、繁殖親を引退した老犬までを養うことです。ブリーダーにとって犬は家族であると同時に絶対終身雇用制の社員です。餌代だけでも膨大な費用がかかるため常に安定的に販売して利益を得ないといけません。非効率なことをすれば餌代であっという間に資金繰りが悪化します。

それでは、なぜブリーダーが非効率な小売で直接販売をすることがあるのでしょうか。理由は3通りです。1つ目はオークションに出してもどの業者も買ってくれないブリーダーである場合です。オークションのバイヤーはブリーダーの名前を見ています。一度買ってダメだったブリーダーの名前は絶対に忘れません。要するにプロには相手されないので素人を相手に商売をしているブリーダーです。2つ目は犬の頭数が少ない超小規模の副業ブリーダーの場合です。飼育管理の手間が少ないため、接客の手間が捻出できるパターンです。主婦や定年退職後の方が一般家庭の片隅でやっている例もあります。最後に3つ目は独自のブランド力のあるブリーダーの場合です。自社サイトや独自の顧客を持っている場合が多いです。販売力が強いため見学した人が購入する割合が高く、また、産まれる前から予約を受け付けている場合もあります。

すでにおわかりかと思いますが、1つ目は量販店タイプのペットショップの最も激安バージョンです。3つ目は内容的には高級店タイプのペットショップと変わりませんが、オークションという第三者プロの目を通していないのは不安要素です。もちろん、そのブリーダーのブランドに魅力を感じるなら迷うことはないでしょう。2つ目は趣味の延長でやっている素人同然の場合が多いのでリスクが高いです。飼育技術が低く育て方などの相談はするだけ無駄かもしれません。もしかしたらブリーダーが収益にこだわらないため犬を安く買えるかもしれませんが、逆に値段以下の場合も十分あり得ます。1つ目と2つ目のブリーダーは、複数のブリーダーの販売情報をまとめているサイトを利用して販売しています。3つ目のブリーダーは自社サイトや自社のSNSを使って販売していることが多いですが、逆に、紹介制でネットからの新規の客を受け付けていないこともあります。

ブリーダーで買うメリット・デメリット

メリット:激安で買える(1つ目と2つ目)。独自のブランド力のあるブリーダーで買える(3つ目)。

デメリット:犬の質がかなり低い(1つ目)。素人ブリーダーの可能性がある。アフターフォローが期待できない(2つ目)。高額だがそのブランドが客観的に価値があるのか分からない(3つ目)。

保護犬・捨て犬をもらう(譲渡会)

保健所や愛護センターで保護犬をもらう場合です。無料ですし可哀想な犬を救えるということで譲渡会は人気です。ただ、はじめて犬を飼育する人はやめてください。保護犬は捨てられたり迷子になってしまったり、一度心に大きな傷を負っています。野良の期間が長い犬だと生存本能が強くなって警戒心や縄張り意識が異様に高くなっている場合も多いです。はっきり言って飼育するのが難しい犬です。市販の子犬とは別物です。安易な気持ちで引き取ったら手に負えなくなってまた保健所に…なんていうことになったら犬がまた不必要な傷を負ってしまいます。保護犬をもらうのには、犬の扱いに慣れた方が最適です。市販の犬を何頭も飼ったことがあったり、仕事や学校、ボランティアで犬の世話を長期間してきた経験のある方が有志でやればいいと思うのです。飼ってはいけない動物は、飼うとその動物が不幸になる動物と、飼うと自分自身が不幸になる動物です。市販の犬を買うことはお金を出して自分と犬の幸せを手に入れることです。不幸な犬をもらうことは、自分の生活を犠牲にして犬の不幸を減らすことです。全く考え方が違うと思います。

保護犬をもらうメリット・デメリット

メリット:可哀想な犬を救えるというやりがいがある。

デメリット:市販の犬より圧倒的に手間(+費用)がかかる。何年たっても家族になれない可能性もある。そもそも市販の犬を買うのと保護犬をもらうのは別物。

目的別オススメの買い方

とにかくいい犬が欲しい人

都内まで足を延ばして高級ペットショップを巡るか、目的の犬種で独自のサイトや広告で販売している高級ブリーダーを全国から探します。

とにかく安い犬が欲しい人

ホームセンターや量販店タイプのペットショップで売れ残って少し大きくなったらセールになるので、それを待ちます。

安い犬が欲しいけど大きくなった犬はダメな人

ブリーダーの直接販売を、複数のブリーダーの販売情報をまとめているサイトで探します。ただし、病気などのリスクが一番高い手段なので、ペット保険には必ず入りましょう。

健康な犬をそれなりに安く安心して買いたい人

少し高い量販店タイプのペットショップで、入荷が新しくワクチン接種1回済の犬を買います。